秋波。

週末は2日ともいい天気だった。相変わらず息子がまだまだ小さいので、ほとんど外出することはなく生活しているのだけど、射し込んでくる日差しと雲のない青空のもとで食べて、寝て、息子の世話をしていると、この上なく甘美な時間が流れているように感じる。産まれてきてまだ2週間と少しなのに、息子の身体はずっしりと重くなり、肌の質感も顔つきも少し変わってきた。何度も言っているが、本当にあっという間に時間は過ぎてしまうのだろう。

★★★

「秋波」という言葉を、実はこの歳まで知らなかった。と言うか目にすることもなかったように思う。媚びを売る、という意味で使われ、「秋波を送る」という慣用句になるようだ。もともと、読んで字のごとく、秋の澄み切った水の波を意味していたのが、女性の涼しげな目元のたとえになり、転じて女性が男性に媚びを売る目つきにつながった。それが現在は企業間や国家間の関係を示す言葉として主に使われている。

熟語としてぱっと見て感じるイメージと、実際の意味が大きくかけ離れていて、文脈から言葉の意味を想像することもできなかったので、印象に残っている言葉だ。穏やかすぎる秋の週末に、ふとその言葉を思い出す。