売り子。

今年のマリーンズも残り3試合。9月に入ってからは実質的に終戦モードに入っていたが、きょうの負けで4位以下が確定し、完全にシーズン終了となった。10月あたまから来年の2月まで、長い長いオフ、冬が始まるのだ。

残り少ない試合を慈しむように鑑賞している。スタンドがガラガラなので、カラフルな売り子さんの姿がいやでも目につく。肌寒い季節にもなってくるし、大変な仕事だ。

スタジアムでの売り子の仕事は、仕事全般に通じるエッセンスが詰まっているうえに、その能力差がはっきりと出てしまう。常に笑顔を絶やさずに売り場に立ち続けること、お客さんから出される買いたいというシグナルを見逃さない能力、常連のお客さんを掴み取るために必要なさまざまな能力、重い樽を背負っての長丁場を乗り切るための体力配分などなど、人と接する仕事に必要な要素が漏れなく高いレベルで求められる。もっと言えば、仕事だけでなく人を動かすための要素である。

そして売り子の仕事は、その能力差が売り上げの形ではっきりと現れる。そんじょそこらの仕事をはるかに超える厳しさがある。売り子としてスタジアムに立つような気持ちで自分はやれているだろうか。