都知事選の風景。

なぜ今回都知事選が行われることになったのか、みんな忘れてしまったんじゃないかと思うくらいに猪瀬さんが空気のような存在になっていて可哀相だが、とにもかくにもあと数時間で都知事選が開票になる。どこまで積雪の影響は出るだろうか。

この間品川駅で演説する小泉純一郎氏の姿を見た。人だかりができていたが、聴衆が本当になにかを期待しているようには感じられなかった。小泉氏自身が出馬していれば相当いい勝負になったであろうになぜその選択肢を取らなかったのか不可解であるし、担ぎあげた細川護煕氏も、最後まで任期を務めあげる意思があるのかと不安になるような姿勢である。小泉氏はお得意のワンフレーズポリティクスで民意を掴もうと試みたが、今回はそれが空回りしてしまった感が否めない。有権者が賢くなりワンフレーズに流されにくくなった、という見方もできるように思う。

舛添要一氏を推す声はあまり聞かれない、にもかかわらず事前調査では圧倒的に優位と言われている不思議な状態である。消去法でこの人を選ぶしかない、という声も聞かれるが。スキャンダルが揶揄されているが、カタカナでマスゾエと呼ぶのは福島のことをわざわざフクシマと呼ぶような悪意を感じる。

宇都宮健児氏はどこからどうみても真面目な方であり、1度は都政を運営する姿を見てみたいと思うのだが、やっぱり今回も厳しいのだと思う。なぜあの党をバックにつけているのかも理解できないし、やはり彼の働き場所は都知事という場以外にもあるような気がしてならない。即時脱原発というイシューで一致する細川氏との候補者一本化に関する議論も行われたようだが、それを崩さなかったのも彼のポリシーなのだろう(あるいは小泉氏が脱原発派を二分するという巧妙な芝居を打ったという可能性も残されているが)。このあたりのドタバタを見る限り脱原発派が一枚岩になるのは難しい、みなの願いを一緒に託せる人がいないんだなあという感想を持った。

泡沫候補と呼ぶのは申し訳ないが、他の候補は4位以下になるのであろう。しかしながらネット選挙解禁により13名それぞれの主張に触れる機会が以前よりも増えている(特に都議会議員のおときたさんのブログはよかった)し、それを受けて田母神閣下をはじめ各候補がどこまで票を伸ばすのかは興味津々である。家入一真氏の取り組みも含めて、政治がその名の通り「まつりごと」としてみなで参加する流れが生まれ始めているように思う。そもそも猪瀬さんが辞める必要が本当にあったのか、汚職に目をつぶってでも続けてもらう方がメリットが大きかったのでは、という感は拭えないが、逆にこれを奇貨として新しい政治の流れを作るきっかけになった、と思うしかないのだろう。

ということで選挙フリークとしてはワクワクしながら20時を待つのである。