家族ゲーム。

矢口真理中村昌也夫妻の離婚に驚く。民放で中村昌也が結婚生活について語っている番組を見たのが10日前くらいだったか。それから家への男の連れ込みが明るみに出て、あれよあれよのうちに一昨日の結末へ。2人のなかでは既に結論は出ていたのだろうが、展開が早すぎる。彼ら夫妻は僕と入籍日が同じで、矢口真理とも同い年だっただけに複雑な気持ちである。

★★★

数年前から朝ドラは見ているものの、夜のドラマは5年以上とんと見ていなかった。最後にちゃんと見たのは「14歳の母」だろうか。それが今クールは「家族ゲーム」を見ている。ふと第一話が流れているのを見て以来、続きを見ないではいられない症候群にかかってしまった。もっと言うと、出演者それぞれの鬼気迫る演技に釘付けにさせられたと言うべきか。演技の質も効果音を含めた演出も、昔見ていたドラマよりもより洗練されていて、なおかつドラマらしさを残している。テレビがどんどんつまらなくなっていると言われるけれども、ドラマに関してはクオリティの水準は上がっているんじゃないか、と少ない視聴経験ながらも思う。

家族ゲームの舞台である沼田家の人間関係には冷え切っているように見える。家庭を省みない父親、子どもたちに愛情を注ごうとするも、子どもたちからは疎まれるようになり自分を見失う母親、そしてそれぞれに問題を抱える慎一と茂之の2人の子どもたち。家庭教師として沼田家にやってきた吉本荒野は、そんなバラバラの家族に入り込み、慎一を除く3人をコントロールすることに成功する。慎一もまた手のひらで踊らされていると言ってもいい。吉本がこの家族をどういったゴールへと操っていくのか、吉本のこれまでのふるまいから現時点では全く予想がつかない。

ただひとつ確かなのは、家族がバラバラになっているからこそ、吉本が家族を操っているということである。それぞれが自分の利害関係と見栄を守るためだけに成り立っていた家族関係は、吉本によっていとも簡単に明るみにされ、崩壊へと一直線に向かっている。この展開から、全てを壊すことで家族に残されていたわずかなつながりを浮かび上がらせるのか、それとも完膚なきまでに家族を破壊することで、個々人の再生へとつなげていくのか、はたまた全ては無に帰すのか。。

吉本は単なる触媒であって、吉本がいなくとも誰かが、何かが触媒となって家族を崩壊させていたのだろう。けして、誰かの、何かのせいではない。矢口中村一家も交通事故のようなものではなくて、なるべくしてそうなった、人間関係はそういうものなんじゃないかと僕は思うようになった。