台風と蜜月。

先週は帰りの遅い日が続き、たっぷりと眠れた日がなく、いつも頭のなかに睡眠不足の種が残り続けている感覚があった。台風が来て、外に出ることも叶わず、夕方から深く沈むように昼寝をして、久しぶりに頭のなかから睡眠不足の種が消えた。まどろんでいると、現実世界に非常に良く似た夢を見て、夢と現実がごっちゃになって、果てに今が何時なのか分からなくなって混乱したが、目が覚めて本当の現実世界に戻ってくると、頭がすっきりとしていた。

★★★

僕はどうやら10月から環境が変わる。環境が変わるのは4年と3ヶ月ぶりで、本当に久しぶりのことになる。あまりにもひとつの場所に長くいすぎたのだ。今の場所はそれは居心地の良い環境ではあったけれど、そこに安住してしまうことで自分の成長が頭打ちになっていたことも充分感じていたし、いずれは新しい環境で自分の力を試していかなければ刃が錆び付いていくことも分かっていた。分かっていながら自分でもここまで先延ばしにしてきていた。

結局は背中を押されなければ動けなかったということだ。あまりにも今までの環境に慣れすぎて、動き出すための勇気を失っていたということだ。環境が変わることが怖いと無意識的に思っていたということだ。もともと自分はひとつの場所に安住するタイプの人間ではなかったように思うのだが、今の環境にいるうちに性格自体も少し内向きになっていたのかもしれない。もしくは、今の環境に過剰に適応してしまっていたのだと思う。

新しい環境となれば今までのように何でも自分のペースでできるわけではなくなる。そこで自分のスタイルを確立するまでには少々時間がかかるだろうし、日々の生活のなかで犠牲にしなければならないことも出てくるだろう。環境が変わることで、自分の性格も多少変わらざるを得ない、変わっていくかもしれない。しかしながら、そうしなければ得られなかったものもあるわけで、今この時は、それを得るために動いていかなければならないタイミングなのだと、そう考えている。

今までも常日頃からうだうだと働き方や生き方については考えてきたけれど、考えたり口先で言うだけで、足下では関係のない、どこか先の話のように思っていた節がある。しかしながらこれからは、多少なりとも現実感をもって考えていかなければならないフェーズに入っていくのだと思っている。

なんだかんだ言っても今振り返れば蜜月だったのだと思う。蜜月は終わった。新しい環境でもそのような感覚を得られるかはわからない。だとしても、蜜月はもう終わらせるべきだったのだと、そう思っている。