『SALONE 2007』@元町・中華街

久しぶりに、本当にちゃんとしたレストランに行った。仕事での外出帰りに、かねてから行きたかった横浜元町の「SALONE2007」で食事をした。中華街のはずれのさりげない路地にある。温かい灯に包まれたシックなお店。

ディナーは月変わりのコースメニューのみで、ドリンクも、出てくる皿に合わせたおすすめワインを出してくれるパッケージが用意されている。あまりお酒が強くないのでアラカルトで頼むことにしたが、途中で頼んだ赤ワインと鶉のドゥエコットゥーレ(ニョッキのようなもの?)の相性が恐ろしくいいのにびっくりした。ワインと料理が共鳴しあう感覚を初めて知った。ワインには今まで全く興味がなかったけど、あんなワインを飲んでしまうとその考えが変わってしまいそうだ。

コースの内容自体は食べロガーの方々が詳細にアップしてくれているので省略するけど、コースのなかにひと口で頂くメニューが2つあって、その印象が強い。特に「鮪とパプリカのクッキアイオ」はワンスプーンのなかにゆうに10種類以上の食材が詰まっていて、おおげさじゃなく口にふくんだ時に舌がびっくりしている。噛んでいるうちに唾液と混ざり合って微妙に味が変わってくるところまで計算ずくで作られているのかと感心する。

食べログにはけっこうクセのある味という評価が多かったけど、香草類と果実がコースのなかにふんだんに使われているところが古典的なイタリアンと違うところだろうか。シェフの方がシチリアで修行したということで、シチリアの太陽を思わせるような、柑橘系のはじける酸味がコースの随所で存在感を出していた。ちなみに香草も果実も僕は好きだ。

コースの最初と最後にシェフの方が来て挨拶をしてくれる。けして話上手ではないと思うが、明らかにグルメとはほど遠い僕らの他愛ない感想にもちゃんと言葉を返してくれる。食べたその場で客のフィードバックを聞いて、日々ここの料理は進化していくのだろうと思わされる、そんな矜持を感じた。シェフの方だけでなく、サーブの方も一品一品膝をついて丁寧に料理の説明をしてくれる。

最後のデザートまで、あっという間に時間が過ぎて、満足してすっかり暗くなった中華街を帰宅の途についた。ただひとつ後悔されるのは、途中で出てきた雲丹を食べてしまったこと。僕はなぜか3年ほど前から雲丹を食べるとかなりひどい腹痛をおこすのである。今回も食べずにおこうか、とも思ったが、せっかくの名店だし、今回こそは大丈夫なんじゃないかと食べてみたが、果たして帰宅後から翌朝まで恒例の腹痛に襲われた(ただし今回は比較的軽め)。アレルギー反応なのだろうか。。悲しいけど、もう雲丹を一生口にくれることはないだろうと固く誓った。