酔っ払いと秋の風。

新幹線で大阪から東京に向かう際に、やけに車窓から赤い花が咲いているのがよく見えるなと思って、調べてみたらあれが彼岸花というものだった。今朝、駅まで自転車を走らせていると今年初めて金木犀の香りに気付いた。金木犀の香りというのは気温によって強くなるのだろうか、毎年見事に気温の低下と香りの発現がリンクしている気がする。

夏の訪れがカッと照りつける日差しと共にやってくるならば、秋の訪れはじわじわと身体をとりまくように冷気がやってくる。朝起きて、温かいものを身体に流し込むのが気持ち良い季節になってくる。

★★★

先週の土曜日、大学の同窓会があって、僕は東京に戻ってきてから溜まっていた仕事を片付けて途中から参加した。到着するやいなやいきなり学生時代のコールを振られて、自分でもうろたえたのが手に取るようにわかるくらいにうろたえた(笑)。その後は楽しく二次会に移行して、普段あまりしゃべることのないような人とも話せて楽しかったのだが、そんなに飲んでいないはずなのに帰り際席を立とうとするといきなり目の前がチカチカしてまっすぐ歩けなくなり、たまらずトイレに駆け込んでマーライオン状態になった(幸いにもなにも出なかった笑)。こんなことになったのは久しぶり。この程度の酒量で死にそうになるとかお前結婚式のときどうするねん、と自分に突っ込みを入れてダウナーになる。15分くらいそのまま休んでようやく歩けそうなくらいに体調が戻ったので、エレベーターで1階に下りて新橋駅に向かって歩き出す。終電まではあと5分くらいしかなかったのだがなぜかまたトイレにいきたくなる。横須賀線の地下ホームに下りるとまさに最終電車が滑り込んでこようとするところ。ほうほうのていで座って武蔵小杉に向かう。ほとんど記憶がなくて、あっという間に武蔵小杉に着いた感覚になる。体調はよくなったものの酔いのせいかまっすぐ歩けなくて、自作の歌のワンフレーズ(ちなみに歌詞は放送禁止用語で構成される)をエンドレスで口ずさみ続けながら、遠い遠い駐輪場に4日間とめっぱなしの自転車を取りに行く。なぜか自転車の泥よけが曲がっていて、タイヤが引っかかって漕ぐと音が鳴る。曲がりを矯正するために少し走っては自転車を止めて泥よけをガンガン蹴って直しているうちに酔いが醒めてくる。そして友達から遊びに来いよというメールが来ていたことを思い出す。酔っ払った時はいつもこんな感じ。

朝の空気は気が引き締まるが、夜の風は柔らかくて気持ちいい。本当にいい季節だと思う。