クレジットカードのリストラ。

僕の財布に入っているカード類は、社員証や保険証といった類のものを合わせても10枚を少し超える程度。そして、これが僕の持っているカード類のほぼ全てと言ってもいい。あとはほとんど行くことのない病院の診察券程度である。ちなみにポイントカードの類は一切持っていない。先日、もうとっくに解約したと思っていたクレジットカードが、5年経過ということで新しいものが送られてきたので、即解約手続をしてハサミを入れた。ここ6年以上、ひとつのクレジットカードを使い続けている。

銀行に入って現場で初めて経験した仕事は店頭のロビーやATMで提携のクレジットカードをセールスするというものだった。つい数年前までの銀行員なら誰もが通ってきた道であるけれども、これは修行としか言いようのない仕事である。銀行員はこの修行を通じて社畜としての洗礼を受けると言っても過言ではない。幸いにして2週間くらいで解放されるのだが、これが数ヶ月も続くとなると心身が病むことは間違いないだろう。

そんな感じでよくいろいろな場所でノルマの温床となりつつ販促されているクレジットカードではあるが、よくもまぁあれだけ多種多様なカードが溢れているなかで、各カード会社が利益を確保しているなと思う。はっきり言って各カード会社が無駄な販促にコストをかけているのを見ると、その分もう少し加盟店への手数料を落としたり、利用者へのポイントへ還元したりできないものかと思う。そのあたりの利益がまるで談合のように確保されているからこそ、抜本的に体質改善できないとも言えるのだが。(加えて、いくつかの大手のカード会社は銀行の子会社・関連会社だったりするので、経営意識が甘い。しばしばダメ行員の烙印を押された人の出向先となりやすい)

クレジットカードの悪名高い機能として「リボ払い」がある。どれだけ買い物をしても月々の支払いが5,000円だとか一定額に収まるという宣伝がなされるが、金利についてはあまりアナウンスがなされない。たいてい15%前後である。100,000円の買い物をすると年利15%、月利≒1.25%なので、例えば毎月5,000円が引き落とされるすると、同時に最大約1,250円近くの利息が付加されていく。利用残高が400,000円を超えれば毎月の引落し額が全て利息でふっとび、残高は全く減らない。リボ払い専用のカードも発行されているが、ここまでくるとカード会社は搾取ビジネスをしていると言い切ってもいいだろう。どんな意図があってビジネスをしているのだろうか。

金融業界もかなり変わってきているとは思うのだが、カード業界は最後まで変われないのではないか、と思っている。そこに新しい風を吹き込む余地は充分あるのだろうけど。