返済猶予のお願い。

週末を越えるごとに、平常モードにどんどん近づきつつある。計画停電も当分はなくなりそうね。あとは夏に向けて各所でどのような対策がなされるのか。市況に関しては、いったんズドンと落ちてからリバウンドしてそこから横ばい。おそらく喫緊の原発問題に収拾がついても、もう一段の上げでNK1万円回復とはいかないのではないだろうか。我慢の時が続く。今後円安に進むシグナルがいくつか見えはじめているので、輸出産業がそれに引っ張られていくことが頼みの綱か。

それにしても、震災を理由に返済を猶予してくれと言ってくる先が多くて、うちの会社の資金繰りすら心配になるほど。しかし、被災地に近い顧客はこまめに連絡をしてきて、払える分だけでも払おうという意思をすごく感じる。これに対して、一見直接の被害が全くなさそうなエリアの顧客からも、震災と関連付けて返済猶予願いの連絡を受けたりする。もちろん被災地でなくとも各地のサービス産業が間接的に受けた影響は大きいのだろうが、震災に乗じて必要以上に返済を減免してもらおうという魂胆でもあるのではなかと勘ぐってしまいたくっもなる。こっちだってビジネスなのだからなんでもかんでもはいそうですかと引き下がるわけにはいかない。しかし、今は顧客の申し出の背景要因になにがあるかわからないのであまり強く言うこともできない。わが社だけでなく、金融機関の与信担当者も我慢の時が続く。

間違いなく、消費は落ち込んでいるのだが、全部が全部落ち込んでいるわけでもないと思う。今週末の繁華街は(昼間に限っては)震災前と変わらないように見えたし、いわゆる人気レストランは相変わらず混雑している。震災の影響を受けて業績が悪いと言うのは簡単だし、今のこのご時勢では無敵の言い訳になる。ただ、そうやって理由を取り繕ってしまえば、本当に業績が悪い理由からも目を逸らしてしまうことになりはしないだろうか。あえて辛らつなことを言えば、直接の被災地でないところで今苦戦している、BtoC業態で、震災などを言い訳にしている経営者は二流以下だと言える。本当の苦戦の理由、他店に比べて競争力が低い真の理由は別のところにあると言って間違いない。そんな企業はあたかも、帆を張るだけ張ったら後は寝転んで、後は追い風が吹かないかなと寝て待っている、自分の手で漕ぐことを忘れてしまったヨットのようなものだ。

まぁ、地震以来英語の勉強をさぼっている僕が言えたクチではないのだけどね(笑)自戒の念を大いにこめて。