ひふみサロン(1/26)まとめ。

昨日はひふみ投信のサロンで、前参議院議員田村耕太郎さんの話を聞いてきた。いつもながらひふみ投信セミナー参加者はとんがっている人が多い。あと、講演を聴きながらiPhoneをいじっていても何も言われない雰囲気がいい。隣の人はPomeraで講演内容をメモしていた。聞いていて知らないことがあるとすぐに調べられる方がより講演の価値が高まる。

講演のお題は『世界から見たニッポン』ということだったけど、内容としては田村氏が世界で見てきたことをランダムに語る、というもの。

以下心に響いたことを箇条書きでメモ。
・ここ1,2年で新興国のキャッチアップの速度が飛躍的に高まっている。
・日本と比べて中韓の経済成長が著しい。しかしその代償として自国民への社会保障を犠牲にしている。日本と同水準の社会保障制度を実現させようとすれば両国経済は崩壊する。本当は日本の社会保障システムをうらやましがっている。
・日本の若者は草食系と言われているが、足元では『創職』系の若者が非常に増えている。現在は第3次ベンチャーブームと言ってもいい状況。既に米国のVCはそうした日本の若者に出資している。
・前述のような起業している日本の若者は、日本のマスメディアに取り上げられ偏向的に紹介されることを嫌い、海外のメディアへ直接売り込みをかけている。
・Webのトラフィックで、Googlefacebookに抜かれたことは、「検索」から「つながり」へと情報入手の手段が変わったことの象徴的なできごと。
・ソーシャルビジネスの展開に伴い、起業すべき場所はシリコンバレーからシリコンアレー(NY)へ移っている。
・マスメディアから個人メディアへの移行が進んでいる(cf.Vogueの編集者が数多くスピンアウトして個人のブランドを確立している)
・日本の財政破綻がトピックにあがっているが、日本国と日本国民は必ずしも運命を共にしない。企業はさらに一足先に海外移転を進めている。
・歴史的に大転換がおこった時期はいずれも、リーダーがダメダメだった時期(Ex.明治維新)。
・農業は既にハイテク産業。消費者が欲しいものをピンポイントで直販する時代。
・カロリーベースの自給率向上は農水省の予算獲得のツールでしかない。そもそも自給率を向上させても、エネルギー自給ができなければ何もできない。米があっても電気やガスがなければ炊けない。
・米国の大学は非常に学費が高いが、親の年収によってはたやすく学費が無料になる。アフリカから孤児を連れてきて入学させたりもする。30年後にその学生が事業家になり、大学に寄付をすることを想定している。イェールの年間予算3兆円。東大は500億。
・前述の通り大学教育ではもはや太刀打ちできない。日本は初等・中等教育で世界の子どもを集め、英才教育を施すところに活路を見い出せるのではないか。

他にもここに書ききれないエッセンスがたくさん。今の政治家でここまで見識を深められている人はいるだろうか?