偉業。

打球は綺麗な放物線を描いてライト線に落ちた。福浦は一塁を蹴って二塁に向かう。ついに、という言葉が思わず口からこぼれた、記念の2000本安打であった。目頭も熱くなった。

本格的にマリーンズを応援しはじめた2001年、福浦和也首位打者のタイトルを獲得した。足が速いわけでもなく、内野安打を稼げないなかでのこの偉業には価値がある。そして、マリーンズひとすじ25年、後半の数年は苦労しながら安打を積み重ねてきた。正直なところ、達成は難しいかと思えた時期もあった。

チームは苦しい状態が続いている。ホーム8連戦で8連敗。この偉業も素直に喜べないくらいに、投打も噛み合わない。去年も今年も、チームは膿を出し続けている。ただ、これだけ苦しんだからこそ、また良い時期もいつかはやってくるのだと信じている。

達成後の記者会見で、福浦は現役続行を口にした。来年こそは、上位進出する姿を見たい。