流転。

とある地方都市に、昔の同僚を訪ねた。取引先の銀行を出て、古ぼけた商店街をとぼとぼ歩くこと10数分。大通りの四つ角にあるこじんまりとした2階建ての建物のカウンターに彼の姿を見つけた。

彼とはつい3ヶ月ほど前に東京で会ったばかりなので、特段の感慨は湧かなかったのだが、こうやって地方都市で会うのはやはりなにか変な気分である。人通りの少ない歩道を歩いて、ホテルの最上階のイタリアンレストランに向かった。

市内を一望できるレストランだが、そこかしこが古めかしい。店内は女性のグループ客ばかりだ。身体が沈み込むようなソファに腰掛けて、サラダとパスタをつつく。話す内容は昔と変わらないけど、僕は少し早口になり、彼は少し落ち着いたように思う。

一緒に働きはじめたのはもう8年以上前のこと。お互い歳も少し取った。でも、どこにいっても、立場が変わろうとも、連絡を取り続けるだろうし、どこかで一緒に仕事ができないかと思案し続けるのだろう。大切な関係だ。