郵便貯金。

その昔、大学生の頃に使っていた郵便貯金の通帳とキャッシュカードが出てきた。大学4年間は郵便貯金がメインバンクだったのだ。もう10年以上口座に異動がなく、休眠口座となるのかもしれないが、暗証番号も覚えているし、どの印鑑を使ったかもわかるので引き出せるだろう。数百円の残高が記されている。

通帳の異動記録を見ていると当時のやりくり、生活が蘇ってくる。月に1回実家からの仕送りが振り込まれてくるのだ。授業料も負担してもらっていたので、できる限り普段の仕送りはもらわずに過ごそうとしていたので、月ごとに振り込まれる金額は違っている。

いくらバイトをしていても仕送りなしで暮らせるわけがないので、当時は仕送りをもらって当然だと思っていたが、人の子の親となった今になってやっと、そのありがたみがわかるようになった。とともに、支援してもらっただけの立派な大人になれただろうか、という自問が湧き上がってきた。この通帳は失くしてしまってはいけない、大切な原点だ。