オリンピックもあっという間に最終盤。真新しい競技での活躍が目立ったが、全体的にはそこまで盛り上がった感じでもない、という印象であった。昔のように国威発揚のためのイベントでもなくなったし、ワールドカップや世界選手権などの大会もあるなかで、オリンピック自体は純粋なナンバーワンを競うというよりは、スポーツやスポーツマンシップを通じた国際交流や友好親善につなげるようなイベントへと徐々にシフトしているというのが正しいのかもしれない。
それでも、世界の壁は厚いなと感じさせられる場面がいくつもあった。いくら日本で向かうところ敵なしだとしても、世界のレベルははるかに高かったりもする。むしろ、この小国がメダルランキングでトップ10に入っているということ自体が健闘と言えるのかもしれない。
だんだん物価高が生活を苦しめているし、そもそも日本国内でも災害からなかなか復興できないで苦しんでいる地域もある。世界でもオリンピック期間中にもかかわらず戦火は消えなかった。だんだんとオリンピックの持つ力が変容しているのも事実である。