冷たい雨の1日。みちのくを車で移動する。リゾート地ではあるのだけど、晩秋であることとあいまってなんとも寂しい風景が続く。これがまた、雪が積もる時違う趣きになるのだが、いまの時期はまだ寂しさの極である。
道のりの至るところに昭和の頃に造られた建造物が並ぶ。本当に、昔は日本は元気があったんだろうなあ、よくもこんなどデカいものをせっせと作っていたものだなあ、と感嘆する。いまは、そうやって造ったものを丁寧にメンテナンスしながら、良さを生かして末長く使い続ける時代なのだ。
造ったときにメンテナンスのことまで思いを巡らせたものと、そうでないものがある。その差が今になって現れてくる。コントロールを失い、朽ち始めたものを見るのは悲しくなる。
人間も同じようなものなのだろう。晩年になって、自制ができなくなると、特に男性は際限なく醜くなってしまう。自分の手綱は人に渡さないこと、握りを緩めないことだ。