(昨日の続き)あとは、俳優のみなさんの演技もよかったことこの上ない。特に国村隼さんの出している味はなかなかに良いもので、ああこういうおじさん、おじいさんになりたいなあと思わされるものであった。ぽっちやり体型の藤山さんしかり、やたらと美男美女だけが出てきて奥ゆきのない演技をする最近のドラマよりも、渋い演技ができるよなあ、と感じる。
メッセージをわかりやすく伝えようとはせず、過度に煽るようなこともせず、わかる人にわかればいい、あくまで控えめにやればいい、というスタンスがよかった。
主題歌はFayrayの「ひとりよりふたり」。Fayrayはデビューの頃からちょくちょく聴いていたシンガーではあったけれども、キャリアの後半でこういう歌を唄っていたとは知らなかった。歌詞の内容がドラマ最終盤になって大きくオーバーラップしてきて、なんというか涙腺を刺激するものであった。
ヒット作でなくとも、自分の心のなかの宝箱に大事にしまうような作品。それがまあひとつ増えたのが素直に嬉しい。