血液。

健康診断の日。今までと同じクリニックでの受診。ただ、若干コース内容が違っていて、少し落胆する。


健康診断といえば採血である。22歳の頃、初めて健康診断で採血をしたときには、ああこれから毎年このイベントが待っているのか、と暗澹たる気持ちになった。それからは、毎年、健康診断の日を指折り数えてはため息をついていた。


だんだんと歳を重ねるにつれて、仕事も忙しくなってきて、いちいち採血くらいでブルーになってもいられない立場にもなってきたが、いざ本番その時となると、いまだに平静を失ってしまう。そして、目を瞑り、下を向いて、ただひたすら苦痛の時間が過ぎ去ることを祈ることになる。


今年もそうやって懸案の時間をくぐり抜けて、ああ来年までまた頑張って生きよう、という心持ちになる。採血から15時間が経過したいま、初めてその部位を見て、ああ今年は事後の出血がひどかったな、といまになって気づく。止血パッドににじんだ、赤黒い自分の血液を見て、深呼吸をする。