バー。

生まれ育った町で、幼なじみと自転車でぶらぶらする。変わってしまった部分もあるけれども、変わらない景色がそこかしこにあって、懐かしさが滲みでてくる。


同級生の名前を誦んじる。ほとんどみんな、この町にはいない。みんな元気にしているのだろうか。ここまでよく生きてきたな、という思いになる。


15-16年前くらいのいろんなことが思い出される。眼科の隣にバーがあって、よく幼なじみとお酒を飲んだなあ、なんていうこと、数年ぶりに思い出した。まだ、なにものでもなかったような気がする。


いろいろあったけれども、全て抱きしめたいような思い出で、後悔はない。辛かったこともいまは財産である。痛みを受け止めて、自分の学びにして、前に進んでいく。まだ、人生に楽しいことはたくさんある。


夜のグラウンドを自転車で走る。昔は果てしなく長く感じた周回も小さく感じる。グラウンドの雰囲気は変わらないものの、グラウンドを取り囲むマンションや病院はずいぶんと高くなった。


やっぱり、生まれ育った町は唯一無二で、積み重ねてきた年月も取り替えのきかないものである。