花の夜。

お客さんと面談した後、そのままの流れで飲みに行く。こんなコンビネーションは久しぶりである。


オフィスの隣の隣の居酒屋が当たりであった。お客さんのひとりが今どき珍しく妙に呑ませる人で、最後はウイスキーのダブルを飲んでしまい、すっかり酔ってしまった。これも久しぶりなのだが、タクシーで帰る。


空調の効いたタクシーの車内は快適である。首都高速をぐるぐると回って東名へ。日付変更線も近い時間帯になると、道は空いており、これほどまでに出していいのか、というくらいクルマは加速する。


お客さんと話し込んでいたのだが、やがてイビキが聞こえてきた。iPhoneを取り出して、地図アプリを開く。ガジェットの現在地を示す点が、高速道路上で滑らかに移動していく。


やがて高速を降りて、見知った風景のなかをとことこと走る。メーターは既に12千円を指している。コンビニの前で降りて、アイスを買って帰る。人と一緒にいるとシャキッとはしているのだが、1人になると途端に足元がおぼつかなくなる。


たまには、こんな夜があっても、いい。