食欲。

今年で40歳になるのだが、自分でも驚くほどに食欲が衰えないのである。なんなら1人で1日に3合くらい米を食べていることもざらにある。去年のわが家の米の消費量は120キロなのだが、3分の2以上は自分が食べているはずである。これに加えて外食時の米の消費もあるはずだろうから、年間90-100キロくらいは食べていると思われる。


25歳くらいの頃、当時30歳くらいの先輩と食事に行くと、先輩はきまって定食のごはんを少なめにするか、残していた。数年もすれば自分も同じようになるのかな、と思っていたが、そうでもなく30歳、35歳と定食のごはんは大盛りを続けていたし、なんならここ2年くらいはより大食いになっている。体重、体型は、さすがに若い頃と比べればやや丸くはなっているが、際限なく膨張しているというわけでもない。


それはまさに心にぽっかりと空いた穴を埋めるために、胃に食べものを入れているようである。喪失したものを別のもので埋めようとしている。もしくは、空腹であることにある種の危機を覚える本能が働いている、というのが正しいかもしれない。


空腹であることに恐怖を覚えなくなる日がくれば、我が人生も新しい局面に入ったと言えるのだが、そろそろそんな日もくるだろうか。