ゼロ。
豪快な人とたくさん邂逅した1週間であった。自分とたったの1時間食事をするためだけに新幹線で駆けつけてきてくれたり、面談をするためだけに新幹線で呼びつけられたり、なんというかチマチマとした自分の感覚からはずいぶんとかけ離れた人たちもいるもんだな、と思わされた。
おカネってなんなんだろう、と改めて思う。毎日生活を切り詰めておカネを貯めることに満足感を覚える人もいる。一方で、できる限り人からおカネを引っ張って、それを湯水のように使うことで充足感を得る人もいる。借りたカネを返す、というのが世の中の理ではあるものの、死んでしまえば全てはご破算になるわけだ。言い方は悪いが、死ぬまで逃げ切れば勝ち、という考え方もあるだろう。
DIE with ZEROという本がある。死ぬときには財産がゼロになっているのが理想的、という考え方だ。最近、共感するようになってきた。右も左も分からないほどに老いてから、溜め込んだおカネを使おうとしてもなにもできないものだ。それならば、将来のことを過度に悲観せず、いま目の前の経験におカネを費やしていくことには意味があるのだと思う。少しずつ、実践していきたい。