モネ。

「おかえりモネ」最終回。みんながハッピーエンドで、時系列が未来に飛んでいた。とはいえ、最初から最後まですごく地に足がついた設定で、登場人物みなが真面目で良い人で、東北人らしさやいまの若者らしさがよく描かれていたと思う。


僕はBSプレミアムの朝版を見ることが多いのだが、モネの前の時間帯は10月から「マー姉ちゃん」という40数年前の朝ドラの再放送をやっている。時代背景の違いもあるけれども、マー姉ちゃんの三姉妹は騒がしいし、毎回なんだかんだとドタバタしている。それに比べれば、モネの姉妹は熱い想いを持ちながらも、感情表現はすごく控えめである。これが、1979年と2021年の時代性の違いなのだろうか。


よく失われた30年、などと言うし、現実に日本はいまどんどん貧しくなってきているのは間違いないのだけど、内面は昔よりもはるかに豊かなのがいまの時代だと思う。そうなれたのは、衣食足りて礼節を知ると言うか、最低限暮らすのに不自由しないだけの物質的豊かさを日本が1990年ごろにかけて手に入れることができたからこそ、なのだと思う。この国はそこまで悪い方向にきているわけでもない、と朝ドラを見ながら思う。