盂蘭盆。

お盆、である。

お客さんなどとの会話ではよく聞かれるが、十数年実際にお盆の時期に休みを取ったことはほとんどない。駆け出しの頃は下期に入ってすぐの10月にまとまった休みを取ることが多かった。子どもが生まれてからは、お盆の時期に保育園が閉まることも多く、何日か休まざるをえないこともあったが、今年はこの時期に全く休みを取っていない。

医療崩壊だとか、社会生活が成り立たなくなる寸前だとか言われているけれども、今年も穏やかにお盆は訪れて、多くの開業医やその他あらゆる業種の人たちはのんびりと休んでいる。もちろん休みなくずっとギリギリのところで奮闘している医療従事者や保健所の人はいるし、収入が減って困っている人もいる。それでも、国家総動員でCovidに対峙しているかといえばそこにはほど遠いものがある。 

今年のお盆はずっと雨続きだ。道端に供えられたキュウリとナスで作られた馬も、強い雨に打たれて濡れそぼっている。ご先祖さまがいまの世の中を見たらどう感じるだろうか。日本列島に居座り続ける雨雲は、なにを洗い流そうとしているのか。