オフラインの価値。
昔はよく通った懐かしい北関東の街に出張。駅前の通りにこだまする女性のボイスのアナウンスは、コロナ対策へと内容を変えつつもトーンは全く変わらず、あたりには間延びした雰囲気が漂っている。レトロな雰囲気の喫茶店も、年季の入ったいまにも崩れそうなホテルも、ごつい文体で書かれた看板の焼肉店も、もしかするとあと20年経っても駅前の風景はこのままなんじゃないのか、とすら思えてくる。
たっぷりと仕事をもらう。どこまでできるかはわからないけれどもありがたいことだ。これだけの案件をしっかりと腰を据えてやりきるのなら、この街に移住しなければできないと思う。そんな未来は予想したくはないけれども、そんなことももしかしたらあるのかもなあと夢想しながら、帰りの道を歩く。
オンライン面談でもやれなくはないのだけど、やっぱり顔を突き合わせて、ノートをめくりつつでなければ出てこない話、突っ込んでは聞けない話がある。現地に行ったからこそ話してくれることがある。街の通りの空気を吸わなければ思い浮かばない発想がある。だからやっぱり、足を運び続けなければならない。