劣等感とバランス。

仕事の帰り、友人と待ち合わせて神宮外苑を歩いた。少し残業しての帰りなので、もう秋の空はとっぷりと暮れている。台風もそれてかなり冷え込んでいる。


雨に濡れたベンチにシートを敷いて座った。霧にけぶる向こうに見えるのは新宿の都庁だろうか。ぽつりぽつりとうまく文章にならないような言葉を口からこぼす。


時に、かなり辛らつな指摘も受ける。なんというか、見て見ぬフリをしてきたことに向き合わされている。それでも、友人の言葉は優しくて、拒絶してしまうようなものではない。これまで言葉になかなかならなかった心の奥底の感情が引っ張りだされてくる。自分自身が絶えず人生のなかで持っていた劣等感こそが、自分の性格を形づくっていたことに気づかされる。


もう手遅れなのかもしれないけれども、それでも諦めずに友人が手を引っ張ってくれる。そんな気がしてくる。自分自身は本当にくだらない人間なのに、周りの人はなぜこんなに優しくしてくれるのだろうか。嬉しくて涙が出そうになる。きっと、きっと大丈夫なのだと確信する。


246沿いをてくてくと歩く。人通りの少ない東京都心もいいもんだ。