新月と秋分。

日暮れが早くなった。朝方の冷え込みが戻って、掛け布団をしっかりと羽織るようになった。いつのまにか夏も終わっていった。


この季節になってくると少しずつ、年末のことを考えるようになってくるのだが、今年はいつもにも増して、1年の過ぎるのが早く、またなにかを成し遂げたという気持ちも薄い。気付いたら1年が巡っていたような気になる。


大きく後退したこともあったし、逆に進んだこともある。なかなか外に発信できるような目ぼしい成果はないのだけど、少しは内面は深まったようにも思う。しっかりと動いている限り、なにもかもが停滞してしまうということはない、という事実だけが自分の救いになってくれる。


月が出ている。だんだん細くなり新月になってしまいそうな月だ。新しい月が満ち始めるときには、どんなことが始まるだろう。そして僕はどこに向かって歩いていくことを決断するだろう。静かに、静かに、何度目かの月を見つめる。


もうすぐ秋分の日もやってくる。今年ももうすぐ終わり、ではない。これから今年のいちばん大事な季節がはじまる。