争いごと。

先々週に20歳そこそこの若者の話を書いたけれど、もう一つ驚くことがあった。彼ら彼女らは僕からみても極端に争いごとを好まないのだ。自分自身が人を押し除けてまで成功したいという気持ちがないのと同様に、人が人を糾弾する、というようなシチュエーションをひどく嫌うのである。たとえば現政権に対しても、腐敗を嫌って政権打倒を願う、というよりはむしろ、腐敗などがもしあったとしてもそれは自分とは関係のない世界で、自分と仲間を取り巻く世界がゴーイングコンサーンであり続けるならば支持をする、という考えを持っているのである。政権が変わっていろんなことがガラガラポンになるよりも、いまのままでなんとなく暮らせている方を選ぶのである。若いのだから、ガラガラポンでよしんば焼け野原になろうとも、若者のほうが絶対的に有利なはずなのだが、それを嫌うというのはなかなかに興味深い。


こういう若者世代が30-40代になり、団塊の世代がいよいよこの世から退場し、団塊ジュニア60代に差し掛かると、日本の景色もまた変わってくるのだろうなあ、と切に思う。