なぞる。

昨日は「モノ」に関する話をしたけれども、「体験」にも同じことが言える。ステイホームでなかなか時間はあるものの、遠出はできない、となったときによく、昔の旅行の写真を引っ張りだして見ていた。思えばここ12年くらいでもいろんなところに行ったものだ。子どもが産まれてからも、わが家の旅行回数はけして少なくない。


次はどこへいこう、あそこへ行こう、なんてことはあっても、じっくりと前に行った旅行を振り返ることは確かにあまりなかった。コロナによってたまたまそういう機会を与えてもらったと言うこともできる。


なんだか昔の写真を見ていると、いまとはいろんなことが違っていて、懐かしくて涙がこぼれる。浮き上がるのも人生、ときに沈むのも人生なのだろう。そしてまた浮かび上がるような時がやってくれば、いままでよりももっと幸せを噛みしめることができるはずだ。


思ったよりもはやく、場面は変わってゆく。いつまでも(過去はおろか)いまをも引きずっていてはいけない。変えるところは変えて、新しい世界に乗り遅れないようにしたい。