豊かな時間。

日曜日、ちびまる子ちゃんをふと見ると母の日のエピソードを放送していた。お姉ちゃんと一緒に母の日のプレゼントを選んでお母さんに渡したのだけど、まる子が渡したハンカチは既にお母さんが持っているものと被っていた、という下りだ。そこでまる子が苦しくなってその場を立ち去り、お母さんが後になってやさしく声をかけるところまで見て、鼻の奥がツーンとしてしまった。ちびまる子ちゃんはたまにこういう感動回をぶち込んでくるから油断できないのである。


長い人生のなかには山も谷もあれども、この時のまる子と同じように鼻がツーンとする時間を何度も持てると、人生は豊かなものであったと言えるのではないだろうか、たとえ金銭も名誉もたいして獲得できなかったとしても。なにを遺すために人生を歩むか、考えさせられる。万物は流転し、至るところに栄枯盛衰が繰り返される。


どんな時に幸せを感じるのか。それは口座に記載された残高が増えることなのか、それとも別のシーンなのか。考えるべき時がきている。