泥棒の夢。

今でもたまに、家に泥棒が入る夢を見る。舞台はきまって、建て替えをする前の古い実家である。一階は玄関と台所と居間で、居間の奥に祖母が寝ていた。そして二階に父母と僕と弟が寝ていたのだ。


夢はいつも、夜寝ているときに、ガチャと下の階から物音がするところから始まる。誰かが家に侵入しているという緊張感でいっぱいになり、そろりそろりと階段を下りていく。一階に下りると、祖母は寝静まっていて、その向こうに人影が見える。そこでなぜかいつも僕はワッと声を出して泥棒を追い詰めようとするのである。泥棒はこちらに気づき、逃げていこうとしたり、こちらに向かってきて戦おうとする(このあたりは夢を見るたびにシナリオが変わる)。追いかけたりくんずほぐれつしているうちに夢から醒めるという具合である。


果たしてこの夢はなにを暗示しているのか。いまではマンション住まいで鍵もしっかり閉まっているので、誰かが侵入してくるなどとは思いも寄らないのだが、未だにこのような夢を見る。誰かが家に入り込んでなにかを盗もうとしているのか、盗まれようとしているのはなんなのだろうか。