波。

年始の風景。デパートの初売りなどは相変わらず活況で、行楽地なども賑わっていた。買い物袋を両手にぶら下げたような人もよく見かけた。


ひと昔前に比べれば、景気の良し悪しの波が小さくなってきたと言えるのかもしれない。バブルの頃のように分かりやすい成金は姿を消したけれども、平成の世のあいだもコツコツとフロー収入を積み上げてきた人や、そのストックを生かして投資収入を得ている人は確かにいて(いまの高齢者の何割かはここにあてはまる)、そういう人たちの消費は安定しており、景気の良し悪しにあまり左右されることがない。加えて、現役世代では人手不足感が強く、リストラに遭うようなことがあっても職にあぶれることがなくなったり、職を選べる人が増えていることも、消費者心理にはポジティブに働いているとも言える。消費税増税後の落ち込みも、予想よりも抑えられるかもしれない。


少し前には悲観に思えた未来も、近づいてみればだんだんその輪郭が見えてきて、なんとかなりそうだと思えてくる2020年代の幕開けである。