かずき初タイトル。

3年前のタイトル挑戦のときにここでも応援した木村一基九段がついに王位のタイトルを獲得した。46歳での初タイトルは従来の最年長記録を大幅に更新するものである。


今さら紹介するのも憚られるが、彼の名言に「負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう」という言葉がある。その通りに、歳を重ねてもあきらめずに棋力の向上を目指したことが、この結果をもたらしたのだろう。


プロスポーツなどと違って将棋の世界は、自ら選ばなければ、実力が衰えて一番下のクラスに落ちるまで現役生活は続く。一度成績が下降線をたどると、そこから復活できずかつての輝きを失う棋士が多いなかで、歳を重ねても踏ん張り続ける気力はどこから湧いてくるのか。同じようにずっと現役生活を戦い続けなければならないビジネスパーソンにも大いに参考になる話だ。