京王線。

昼下がりの京王線。ワールドカップの開幕ゲームと重なったようで、電車は混んでいた。日本代表の桜のユニフォームを身にまとった人も多いし、海外から見に来たであろう人も見かける。インバウンドも増えたので、もうなんの違和感もない。


ここ数年はほとんど京王線に乗る機会もなかったので、車窓が懐かしい。笹塚も、芦花公園も、友人の家があったので何度も降りたことを思い出す。いまは知り合いもほとんど住んでいない。


飛田給に臨時停車して車内はガラガラになり、さらに西に向かう。多摩川を渡ると聖蹟桜ヶ丘だ。15年前に新卒採用の面接にここまで来たことを思い出す。思えば遠くへ来たもんだ。


用件を済ませて、家路を急ぐ。日暮れがずいぶんと早くなった。秋は一番好きな季節だ。すっかりと暗くなった景色のなかを満員電車がゴトゴトと走る。ふと、数年前、十数年前の時空を自分が行ったり来たりしているような感覚に陥る。あと数年すれば、どんな気持ちでまたこの道のりを移動しているだろうか。