恥はかきすて。

人生とはそもそも恥ずかしいものなのである。恥をかかないようにと常に意識しながら過ごす人生はひどくつまらないものなのである。


あることで浮かれていた友人が、そこから奈落の底に叩きおこされるような事態に陥った。まあ、その張本人にも責任はないわけでもないのだが、本人はすごく落ち込んでいるわけで、十二分に恥もかいている。


恥をかくような経験をするからこそ、人は軌道修正できるのである。恥をかくことを怖れて行動が縮こまっていれば、そこに成長はほとんどない。そりゃあ、ある程度歳を重ねてから恥をかくことはひどくダメージを喰らうことだし、若いうちに恥をかいておくにこしたことはないけれども、歳をとってからかいた恥もまた、ずっしりと重みのある経験になる。


おそらくは僕もまた、恥をかき続けることになるのだろう。小さな恥をうまく吸収しながら自らの血肉とすることもあれば、大きな恥に沈むこともあるだろう。まあでも、より歳を重ねてから喰らうよりはマシだと思って受け止めるしかない。