小部屋。

日当たりの良い会議室で、ずっと打合せをしていた。この部屋はオフィスでもはじっこにある隠し部屋のようなスペースだ。狭いので、来客用としてはあまり使われず、直前になっても空いていることが多い。


この部屋に長く陣取って、いろんなところに電話をかけていた。執務室の自席で電話をするよりも、リラックスして話ができる。窓の向こうには、羽田方面の景色が広がる。冬らしい、雲がほとんどない晴れた空だ。


電話をしたり、PCに目を落としたり、同僚とディスカッションしたりしながらいると、あっという間に太陽が西の空へと角度を落としてきた。仕事がよく捗ったなあと自画自賛しながら、パソコンを閉じて自席に戻る。数時間ぶりで狭い部屋を出て大部屋に足を踏み入れると、その空間の広さに目がくらみそうになる。


あっという間に窓の外が暗くなる。何度こんな風に1日を繰り返しただろうか。そしてなにを為してきただろうか。自問しながら下りのエレベーターを待つ。