記憶。

最近は時間的に余裕をもって仕事をしているので、名刺の整理をしたり電話帳を見直してみたり、という時間が取れている。相手の名前を見ることで、記憶は蘇ってくるもので、そういやあのときに聞いた話はその後どうなっているだろうか、などと思い出してふと電話をかけてみることもある。

2-3年前ならば容易に思い出してアクションを起こせるのだが、名刺が8-10年くらい前のものになると、さすがに記憶も断片的で、連絡を取る糸口すらなくなってしまう。人の記憶なんてそんなもので、5年を超えればだんだん忘却されていくのだろう。

そう思えば、ある場所で失敗を犯したり、伸び悩んだりしても、時間が経てば巻き返すチャンスはまた巡ってくるし、逆に言えば、昔に実績を残していても、いつまでもその時の栄光で飯を食むことは難しい。薄れゆく記憶のなかで、その蓄積である自分自身だけはごまかしようもなく継続していて、勝負の場に晒され続けるのである。だからこそ、前に進み続けなければならない。