父。

大阪から両親が遊びにきた。60代も半ばを過ぎたのにアクティブなのは良いことだ。父親は今年で定年退職して5年になる。普通の60代よりも明らかに体力もあるので、いっときはあっさりと仕事から離れるのをもったいないと僕は思うこともあったが、今となっては本人の好きにやれば良いではないか、と思う境地に至った。

今では2つのサークルと地元の町内会活動などをはしごして、平日も土日もなく忙しくしている。のめり込むととことんやる気性である。その気持ちはわからないでもない。同じ血を引いているので、意思決定のくせとそれの裏にある思考回路はよく理解できる。ただ、同じ血を引いていても、その後過ごす環境によって、思考回路の形成は影響を受けるので、自分自身が父親と同じ意思決定をすることはないだろうということもよくわかる。

この先も年齢を重ねることで、今よりももっと、自分のことがもっとよく理解できるようになり、親のこともよく理解できるようになるだろう(それでも分かり合える、にはほど遠いのかもしれないが)。そう思えば、歳をとることも悪くはないような気もする。