変わらぬ。
ひょんなことから大学時代のゼミの先生に電話をすることになった。確か前に会ったのは8年くらい前のことだろうか。年賀状のやり取りもしていたのだが、去年で途切れてしまっていたところだ。
電話の向こうの先生は全く変わりがなくて、ありがたいことに僕のことも覚えてくれていた。話をしていると僕自身も20歳そこそこの頃に戻ったような気持ちになる。あの頃のメンタリティも含めて鮮明に思い出す。はたから見れば働きだして変わってしまった部分もあるのかもしれないが、少なくとも僕は自分では変わらないものが真ん中にあって、けして変わらないものをこれからも抱いたままで歳を取っていきたい、いくものだ、変わってたまるか、と思っている。
楽しかったことも、恥ずかしかったことも、悔しかったことも全部忘れちゃいけないのだ。自分の出発点はここで、都合のいいように記憶や歴史を書き換えることもできない。ひとつひとつのことには全部意味があって、その意味を理解しないまでも、無視はしないようにして進まなければならない。