追憶の日。

また今年もこの日がきた。この1年は久しぶりに、被災地に足を運ぶ機会が何度かあったこともあり、これまでとはまた違う心持ちである。首都圏にいれば震災のことはせいぜいこの時期に思い出すくらいになってしまったが、当地ではいまも復興への取り組みが続いているし、前進し続けているとは言えないような側面も出てきている。

思い返してみれば、僕自身もいろんなことを試されてきた日々だった。そのなかでも放射能への対応には思うところが大きい。いろんな人の知られざる一面が見えてしまった。そのなかには見たくはないものもあった。あの事象があって、いろんなものがむき出しになることは、それぞれの当事者にとって与えられたメッセージで、僕らにできることはそのメッセージをしっかりと捉えて、自らの行動に生かしていくことなのだろう。もちろん、なにが正解というわけでも、なにが正解でないというわけでもないが。

あの頃抱いたいろんな思いを、しっかりと取り出して磨いてまた心に戻してやる、そして祈る、そんな日だと思う。