春の定例行事。

いつもながら、1年で1番憂鬱な日を迎える。そう、健康診断である。もっというと採血である。

おりしも花粉もたくさん飛んでいる日だったので、マスクをしてクリニックに向かう。しょっぱなから採血である。腹は決まっているのだからいきなりと言われても動じはしないのだが、いざ腕を差し出すと気が弱くなって「苦手なので見ずにお願いします」などと言ってしまう。マスクをしていてよかった、と思う。腕を差し出すと、あとは頭を垂れて早く終われ早く終われと念じるだけだ。

チクッとした感覚が経ってからどれくらい経っただろうか、腕が痺れてきて、マスクのなかの口は声にならない叫びをあげた頃に、ふっと腕が軽くなる。今年の看護師さんもうまくやってくれた。全くもって感謝の念しかない。とたんにひと仕事なし終えた感になって、大きな顔で待合室に戻る。

採血も一大イベントなのだが、今年はバリウムを飲むというお初なイベントもあった。周りからいろいろと聞かされていたのだが、こちらはなんの懸念もなくスムーズに終わった。あとはバリウムが首尾よく身体から輩出してくれればよいのだが、まだその気配はない。