将棋と精神。

あいも変わらず毎日将棋を指している。将棋を指すこと自体も楽しいけれど、将棋を指すことで面白いほどに自分の精神の内面がさらけ出される。

精神の内面を、湖の水面に例えるとすると、当然ながら波ひとつない状態が望ましい。そのような境地にあるときには、普段よりもよく手が見える。絶好調のときはさも、自分が局面を支配しているような感覚になることもある。

逆に波立っているようなときはいけない。深く考えずに指した手がことごとく外れ、ひどい時にはどうしようもないミスをしてしまう。一度ミスをしてから我に返って冷静になりうまく指せることもなかにはあるのだが、たいていはミスしたことでさらに精神が緩慢になってしまい、第二第三のミスを重ねていく。あっという間に負ける。

日常生活も全く同じなのだろう。精神が波立っていると、気づかないところでもどんどんミスをしてしまっているはずだ。たたえ溜飲を下げるようなことをして気分が良くても、それは長い目でみれば自分自身にとって大きな損失になっていることもある。

精神のバロメーターになるからこそ、将棋を毎日指すことはやめられない。