上中下。

後藤新平の言葉に「財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上」という言葉がある。ビジネスパーソンとしても、1人の人間としても、この言葉の意味を深くかみしめている。

企業にしても、財務成績だけでその価値を測れるものではないのだ。雌伏の時期に人材が育つことはままある。人に奢ってばかりいていつもスッカラカンの人もいる。ぼく自身、そうした気質の人にずいぶん育てられてきた。

人生も後半になれば、自分がなにを残してきたのか自覚する人もいるのだろう。昔の視野では見えなかったものが見えてくることで、その正解に気づくのだ(もちろんいつまでたっても視野が拡がらない人もいる)。

そしてぼく自身も、自分がなにを残してきたのか自覚する上の世代を見ながら、それぞれに思うことがある。見えなかったものが見えてきてもなお、自分の行動を大きく変えるのは難しいな、と感じつつも、できることから少しずつでもやれればいいなと考えている。