聡太。

藤井聡太四段の快進撃は将棋界を超えて、ワイドショーでも取り上げられる展開になっている。昨日の対局でデビューからの連勝を23に伸ばした。将棋界の歴史のなかでもこれほどの新星の登場は想像だにしなかっただろう。忘れてはいけないことだが、渡辺竜王と三浦九段の騒動のことなどははるか彼方に飛び去ってしまった感がある。

将棋界にとってこのような天才が現れたことは僥倖と言うほかない。カンニング疑惑に揺れ、時の名人までもがコンピュータに完敗した今春の将棋界には、正直言って暗い空気が立ち込めていた。そこからわずか数ヶ月でこの盛り上がりである。彼がどこまで連勝記録を伸ばすのか、また彼ならばもしやコンピュータと互角に渡り合えるかもしれない、などと期待に溢れている。

このところ、草の根レベルでは盛り上がっていたものの、全体的に見れば停滞模様だった将棋界に追い風が吹いている。いまこのチャンスを生かして、子どもの世界に将棋ブームを巻き起こしてほしいと思う。