別れの季節。

春は別れの季節である。今年もいくつかの別れを目の前にしている。長い年月のなかで、思い出はいつも浄化されて、最後には感謝の気持ちだけが残るのは不思議なものだ。

そして、3月が終われば、社会人になって丸12年の節目になる。振り返ってみれば、途方もない時間の積み重ねだ。1日の厚みはごくわずかなものであっても、年月を重ねればそう簡単にはひっくり返すことのできない分厚いものになる、ということを噛みしめている。ひとことでは言い表されない時間と経験の厚みである。

良くも悪くも、いつまでも若手のような気分でいるけれども、もう誰が見ても中堅であり、そろそろキャリアの折り返しを意識する年次にきている。自分はなにを為すのだろうか、ということは若い頃から折に触れて考えてきたけれども、今もう一度、リアルな現実のなかでその問いが浮かんでくる。

いま大きな区切りを迎える人たちの姿を見て、自分も小さからぬ区切りに直面することを感じて、年月に思いを馳せる。