心を動かす。

金融の仕事をしていてつくづく思うのは、最低限の知識やスキルは別として、この仕事に最も必要なものは人間力、もっと言えば人の心を動かす力である、ということだ。心を動かす、と言ってもマインドコントロールとは似て非なるものである。

それは部下にモチベーションを授けて動かすことでもあり、向かい合う顧客に気づきを与えて動かすことでもある。力のあるプレイヤー、マネジメントであるということはすなわち、相手の心を動かす力があるということとイコールである。

そのような力を生まれながらにして体得している人はほとんどいない。誰もが、経験の積み重ねによって、少しずつその力をつけてゆく。むろん、経験と力の係数には個人差があるが、その差は思ったほどはつかない。むしろ、経験を積み重ねることから逃げてしまう人が多い。

立派な資格や学歴がなくとも、人を動かす力さえあれば、この世界では実力を認められることが多い。素晴らしいことだと思う。