東芝。

東芝もついに行きつくところまできた、という感じである。ここまでの混迷に至ったのはどう考えても経営陣の責任である。そして此の期に及んで優良事業の切り離しを行なって会社を存続させようとしているのはもはや理解に苦しむ。

早い段階で法的整理に持ち込めば、事業や従業員を守ることができたはずだ。無理に会社を生き残らせんがために、東芝という会社を解体し続けているようにしか見えない。最後に残るのは、「東芝」という名前と、引き取り手のない原発事業のみであろう。そこまでして東芝の名前を残すことにどれほどの意義があるのか、僕には分からないのだが、意義があるからそういう行動を取っているということだろう。

本当ならば、プライベートエクイティファンドに入ってもらい、経営陣を入れ替えて再度企業価値を向上させるのがベストなのだろうと思う。そうしたプレーヤーにとっていまは千載一遇のチャンスであり、彼らも手ぐすねを引いて待っていることだろう。思い切ってそういった外部の力に任せる度量があるか、それともこのまま撤退戦を続けるか、もどかしい思いである。