お化け。

久しぶりに朝から晩までたっぷりと大阪である。昼間に山盛りの案件と側面情報を蓄えて、夜は北新地に立ち寄る。

昔から関西の花街では節分に「お化け」という風習があるようだ。2月2日と3日はホステスやスナックのママたちが、思い思いの仮装をして街を歩く。定点観測した限りでは、やはり節分らしく、鬼のツノを頭につけてみたり、しっぽをつけてみたりといった正統派なものから、眼を見張るような艶やかな着物をまとった王道派、ハロウィンでもそんな仮装は見ないぞ、というナースやアニメキャラのコスプレまで、多種多様な装いが見られた。

北新地という街が、個人商店の集まりという特異性を持つ街であるからして、みなで練り歩いたり、イベントをしたりということはないのだが、店どうしが示し合うでもなく自然と、街の雰囲気を一体化させている。それは、今夜のような節目の夜も、普段の何気ない夜も。そういう機敏に触れると、ああ、粋だよなあ、と思う。