原点。

昨日の話の尾ひれになるが、最近ちょくちょくお会いしている兄ちゃんの居所は、母親の実家の至近でありかつ、僕の社会人生活がスタートした場所でもある。彼と食事をした後に車を下ろしてもらったのは、10年ほど前に若かりし僕が社会人生活をスタートして駆けずりまわっていた場所であった。

路地に入るだけで懐かしい気持ちが甦ってくる。夏の暑い日に汗びっしょりでスーツ(しかもネクタイ付き!)を着込んでうろつきまわった記憶、雨の降る冬の夜に、バッテリーの切れた電動自転車を必死に漕いだ記憶、忙しすぎて社食でお昼を食べそびれ15時を過ぎて向かった牛丼屋、22時に終業してから、その頃たいそうかわいがってもらっていた上司と暖簾をくぐった串カツ屋とホルモン屋、全ての記憶が今でも鮮明に思い出される。

当時は辛い思いのほうが先行していたのだが、今となっては本当にいい思い出だ。そして、僕の大切な原点のひとつになる場所だということを、再び認識した。今度はゆっくりと時間を取って、たこ焼きでもつまみながらぶらぶらと歩いてみたい。