登園風景。

底冷えを感じて目を覚ます。窓の外はまだ暗いが、地面を叩きつける雨音がかすかに聞こえてくる。雪にはならなかったか、という安堵とも残念さともつかない微妙な感情が湧き上がってくる。

朝の支度を終えて息子と家を出る。雨は雪に変わっていたが、このぶんでは積もることはなさそうだ。息子はまだ雨と雪の区別がつかないので、「あめ、あめ」と言っている。多少の雨ならば自転車に乗っていってしまうのだが、きょうはさすがにそうはいかない。

てくてくと歩いてバス停へ。近くのマンションの軒でバスを待つ。息子は雪にテンションが上がり、何度も軒の外に出ようとするので、その度に制止する。雪のせいかバスはなかなか来なかったが、やっときたバスは幸運にもガラガラであった。最後部の長いシートに座る。最近の息子のお気に入りの場所だ。

曇ったバスの窓に指で字を書いて2人で遊ぶ。あとどれくらい、こうやって遊べるだろうかと、そんなことばかり思ってしまう。