スナック。

久しぶりに福島へ出張。昼間は晴れ間ものぞいていたが、空気は冷たい。頰が突っ張るような感覚になる。アポイントをこなしているうちに、凍えるような雨が降り出してくる。

地のものを食べさせてもらってから、福島でもスナックに行く。福島のスナックは、チャーム(お菓子の盛り合わせ)が出てこない代わりに、なんというか、惣菜が折り詰めに入って出される。折り詰めと飲み放題の焼酎とでなんとセット1人2千円という安さだ。

カラオケを唄いはじめる。このところ唄ってばかりいるような気がする。歌に合わせて、カウンターに立っているママさんが手拍子をしたり、適当にハモってきたりといった姿が、僕の座っている席から見える。ママさんはもう50歳をとうに過ぎているだろう。五角形の小さな顔にしっかりと化粧を施して、和装のいでたちだ。リズムに合わせてその小さな顔が右に左に揺れる。

思い思いに歌って1時間。最終の新幹線が近づいてきたのでさっくりと切り上げる。新幹線のシートにくるまって、惰眠を貪りながら、東京に戻る。